目標管理(MBO)の運用でよくある失敗は、新人からマネージャーまで、全員に同じ物差しで「成果」だけを問うてしまうことです。行動量を測る指標と、成果を測る指標を分けずに設計すると、経験の浅い社員ほど不利な評価になりがちです。
「先行指標」と「遅行指標」の違い
先行指標は、成果につながる「行動やプロセスの量・質」を示す指標です。架電数、商談数、提案書の数など、成果に先立って現れます。遅行指標は、売上や利益、成約数など、行動の結果として最終的に現れる指標です。先行指標は自分の努力量でコントロールしやすく、遅行指標は市場や景気など、本人の努力だけでは動かせない要因の影響も受けます。
階層によってウェイトを変える理由
実務担当層は、まだ成果を安定的に出すノウハウが確立していない段階のため、先行指標(行動量)の比重を高くして評価します。一方、管理職層は、行動の量よりも成果に直結する意思決定の質が問われるため、遅行指標(成果)の比重を高くします。同じ目標管理の枠組みでも、階層が違えば見るべき指標の配分は変えるべきです。
新人に「結果」だけを求めても、
動き方が分からなければ動けない。
動き方が分からなければ動けない。
この配分を決めずに一律で運用すると、経験の浅い社員は「頑張っているのに評価されない」と感じ、管理職は「行動はしているが成果につながっていない」ことを見逃してしまいます。階層ごとに指標の設計を変えることは、公平さのための技術です。