「転職回数が多いから」という理由だけで書類選考を見送る運用は、いまも多くの会社に残っています。年代ごとの目安(たとえば20代で1回以下、30代で3回以下)を足切りラインとして使うこと自体は、一定の合理性があります。ただし、そこで思考を止めてしまうと、本当は自社に合う候補者を取りこぼしている可能性があります。
「迷走」か「選択」かを見る
転職回数が多くても、キャリアに一貫性があり、通過させてよいパターンがあります。専門性や課題解決力を高めてきた人、役割や視座がステップアップしている人、転職が「迷走」ではなく「選択」になっている人です。これは頻度では出現率が低く一般的ではありませんが、見逃すと惜しい人材を逃すことになります。
履歴書で見るべきは、職務内容とスキルの一貫性(軸となる専門性がぶれていないか)、転職理由の納得感(前向きな理由か)、短期離職の有無(1年未満の離職が続いていないか)の3点です。この3点が揃っていれば、面接でさらに深掘りする価値があります。
面接での深掘りポイント
面接では「各職場で何を学び、次にどう活かしたか」を本人の言葉で説明できるか、「自分は何を極めたい・目指したいのか」というキャリアの軸を自覚しているか、そして今回の志望動機が過去の経験と論理的につながっているかを確認します。この3つが語れる候補者は、転職回数だけで判断すると見えてこない再現性を持っています。
回数で切るのではなく、
一貫性で見極める。
一貫性で見極める。
書類選考の基準も、面接の判断基準と同じく、属人的な「勘」に頼ると担当者によって結果が変わります。何を見て通過させ、何を見て見送るのかを、あらかじめ言葉にしておくことが、書類選考の質を安定させる最初の一歩です。