Thoughts 06
その場で決めないほうがいい、
たったひとつの理由
一晩置くと、見え方が変わります。理由はあなたの気持ちが冷めるからではありません。その場では手に入らなかったものが、あとから手に入るからです。
一晩で増えるのは、情報ではなく「並び」です
持ち帰っても、新しい資料が届くわけではありません。それでも判断の質は上がります。
商談の場では、目の前の一件しか見えていません。持ち帰ると、ほかの候補、家族の意見、自分の暮らし方が横に並びます。別の記事にも書きましたが、判断が難しいのは情報が足りないからではなく、並んでいないからであることが多いのです。
その場
これしか見えていない
一晩
持ち帰ったあと
横に並んで、比べられる
増えるのは情報ではありません。比べる相手が増えるだけです。
ただし、本当に急ぐ場面はあります
ここは正直に書きます。「急かされたから怪しい」と決めつけると、良い物件を逃します。
人気のある物件に、同じ日に複数の申し込みが入ることは実際にあります。早く動いた人が買えるのは、意地悪でも何でもなく、単にそういう仕組みだからです。
ですから、急ぐこと自体は問題ではありません。問われるのは、急ぐ理由を説明してもらえるかどうかです。
| 説明がある | 説明がない | |
|---|---|---|
| 言い方 | 「今週末に内見が3件入っています」 | 「人気なので早めに」 |
| 確かめ方 | いつ、何件、どうなるかが言える | 聞くと話がぼやける |
| 対応 | 急いで判断してよい場面 | 一度持ち帰る |
急ぐ理由が具体的なら、その日のうちに決めて構わないと思います。大事なのは、急いだかどうかではなく、急ぐ理由を自分で確かめたかどうかです。
持ち帰るときは、期限を切る
「持ち帰ります」で終わらせると、そのまま止まります。何ヶ月も動けないのも、それはそれで損です。
おすすめは、その場で期限を言ってしまうことです。
「明後日までにお返事します」と伝えてしまえば、相手も待てますし、自分も先延ばしになりません。時間を取ることと、決めないことは、別のことです。
決められないときは、何が足りないかを言う
もうひとつ。持ち帰っても決められないときは、「まだ決められません」ではなく「これが分かれば決められます」と伝えてみてください。
10年後にいくらで売れそうか。貸すとしたらいくらか。修繕にいくらかかりそうか。足りないものが言葉になった瞬間、それは調べられる問いになります。
そしてこれは、相手を試す質問にもなります。調べて持ってくる会社かどうかが、はっきり分かるからです。
私たちも、その場で決めていただかなくて結構です
私たちがご提案する場合も、同じです。その場で決めていただかなくて構いません。
急ぐ理由があるときは、いつ、なぜ急ぐのかを具体的にお伝えします。そのうえで判断していただければと思います。
「これが分かれば決められる」という段階のご相談を、いちばん歓迎しています。調べるところからご一緒します。