採用基準や評価制度の設計でよく使う「コンピテンシー」という言葉は、知識やスキルの有無ではなく、「どう考え、どう行動しているか」という質を評価するための概念です。同じスキルを持っていても、行動の質によって成果は大きく変わります。この行動の質を、5段階で整理して使っています。
レベル1〜5の考え方
レベル1「基本行動」は、指示やガイドラインに従って基本的なタスクを遂行できる段階。レベル2「適応行動」は、状況に応じて柔軟に対応を調整できる段階。レベル3「能動行動」は、明確な意図と判断に基づき、自分の責任範囲で主体的に意思決定できる段階です。多くのポジションで、採用時に求める最低ラインをこのレベル3以上に置きます。
レベル4「創造行動」は、独自の工夫で新しいアプローチを生み出し、問題解決やプロセス改善に寄与する段階。レベル5「変革行動」は、周囲や組織にとって意味のある、まったく新しい状況を作り出す段階です。マネジメント層や専門職の等級ほど、レベル4・5に相当する行動が期待されます。
面接でどう使うか
面接では「これまでで最も成果を出した取り組みと、その実現方法」を聞き、回答の中の行動が、感覚的な成功談にとどまっているか(レベル1〜2寄り)、仮説を立てて検証し、関係者を巻き込んで進めたものか(レベル3以上)を見極めます。同じ「成果を出した話」でも、行動の質でレベルは大きく変わります。
スキルの「量」ではなく、
行動の「質」を測る物差し。
行動の「質」を測る物差し。
コンピテンシーレベルを使う最大の利点は、面接官が変わっても評価の基準がぶれにくくなることです。「なんとなく優秀そう」ではなく、「レベル3の行動が確認できたか」という共通言語で議論できるようになります。