Thoughts 09
お金を先に置くと、
幸せは遠ざかります
日本は、世界でも有数の経済規模を持つ国です。それなのに、幸福度の国際比較ではいつも下のほうにいます。経済的な豊かさと、心の豊かさは、思っているほど比例しないのかもしれません。ウェルビーイングというテーマに関わる中で、ずっと考えてきたことです。
経済は大きくても、幸福度は上位に来ません
World Happiness Report(世界幸福度報告書)2026年版によれば、日本は156の国・地域のうち61位でした。スコアは6.130で、フィンランドをはじめとする北欧諸国はもちろん、オーストラリアや米国、英国といった国々にも及びません。
GDPの規模で見れば、日本は世界有数です。それでも、幸福度の順位はそこに届きません。豊かさの中身が、どこかで足りていないということだと思います。
良い状態とは、衣食住だけでは足りません
心身ともに良い状態、いわゆるウェルビーイングを築くには、衣食住が満たされているだけでは足りないと考えています。それに加えて必要なのは、精神的に不安がない状態です。
もっと積極的に考えるなら、それだけでも足りません。安心している状態、そして未来に対して希望が持てる状態を保てているかどうか。ここまで来て、はじめて良い状態と呼べると思っています。
幸せの順番を、逆にしていないか
人生は、幸せを追求する旅のようなものだと考えています。ただ、その順番を、逆にしてしまっていることが多いように思います。
本来の順番はこうです。自分が本当に好きで、情熱を傾けられることに誠心誠意で取り組む。それが結果的に誰かの助けになる。その対価が、はじめて報酬になる。対価は、いちばん最後に来るものです。
1
情熱を傾ける
本当に好きなこと、誠心誠意で取り組めることに時間を使う
2
誰かの助けになる
その結果が、自分以外の誰かの役に立つ
3
対価が生まれる
報酬は、ここではじめて生まれるもの
対価を1番目に置くと、この順番がまるごと逆になります。
好きでもないことを、我慢しながら続ける。そうやって得た報酬は、次の情熱を生みません。疲れを回復させるだけで終わり、また同じ我慢が翌日も待っています。これでは、幸せを追求する旅にはなりません。
同じことが、住まいの決断にも起きます
これは人生観の話であって、不動産と関係がないように聞こえるかもしれません。ただ、実際にご相談を受けていると、同じ順番の逆転が起きているのを見ます。
「いくらで借りられるか」「いくらで買えるか」。経済合理性だけを先に置いて、住まいを決めようとする方がいます。もちろん、数字で確かめることは大切です。それ自体は間違っていません。
ただ、数字だけで決めた住まいに、長く納得して暮らし続けられるかは別の話です。この先どう暮らしたいか、何を大事にして日々を送りたいか。その希望を軸に置いたうえで、数字を確かめる。この順番を保てているかどうかで、10年後の納得感はかなり変わると思っています。
数字だけでは決めきれない部分も含めて、ご相談いただければと思います。売る・買うが決まっていない段階で結構です。